いよいよ、夜だ。


菜月ちゃんからのメールの時刻に、
僕は久々に異次元トンネルに来ていた。



「早いね」

まず、留衣さんがこの間と同じように、
亮太郎と共に到着した。

「……何か、家に居たくなくて」

「そっか、まあ、私もそうだったし」

ビックリするよねーと、笑って言った。


「そういえば、留衣さん、
 この前から知ってたんですか?」

「うん、亮太郎君から
 教えてもらってたから。
 何か変だってね!
 それにね、私、君の事知ってたの」


「え、知り合いでした?」

「ううん、そうじゃなくて。
 隣の区の学校で、
 異次元トンネル通った子が消えたって」


こっちとは違って、
結構有名な都市伝説だと、教えてくれた。


「多分ね、同じ所から来たんだよ」

「……あれ、歳、結構違いますよね?」

なのに、隣の区の学校?


「昨日言ったよね?
 私、本当は要君と同い年だったの。
 きっと、時間も、歪んでたんだね。

 帰れたらさ、どうなってるか、
 楽しみだよね!」

……それは、どうだろう。


でも、例えば彼女の言う事が真実だとして
今、この時間の元の世界に帰れても、
彼女の時間はどうなんだろう。

このままの姿で、帰るのか、
それとも……?