「最後にもう1つ。
きっとこれも名前の由来になってるよ」
帰り際に、啓吾さんが言った。
彼の指差す方を見ると、
「……綺麗ね」
菜月ちゃんが言う。
そこには、夕日に染まって、
真っ赤になった公園が。
迷路も、他の遊具も、全部赤い。
雰囲気が出て、
不気味だけれど、確かに綺麗だ。
「血の色では無いけど、これはこれで
名物になってるみたいだしね」
留衣さんだ。
……血の色まんまだったら、嫌だ。
それは夕焼けとは違うだろう。
思った事をそのまま言うと、
くすくすと笑われた。
いや、笑わなくてもいいじゃないか
「つかまえた!」
「……え?」
誰かに、腕を掴まれた。
だけどそこには何も見えない。
笑い声も、隣から、
僕の顔より少し下の辺りから聞こえる。
これは、もしかすると、迷路の?