「……本気で怖かったんですよ?」
「うん、顔見れば解るよ!」
みんな笑顔で、僕の話を聞いている。
この人たちにとっては、
きっと楽しい体験になるんだろうな。
だから、しょうがないのか。
「泥水って、井戸の事なのかな?
でも、病気の所為で、
水自体は綺麗だったのよね……」
菜月ちゃんが、
口に出しながら考え込んでいる。
「疫病なんて、無かったんですよ」
それに応えたのは、亮太郎だ。
「ただ、泥が混じるようになってしまって
それを神様の怒りの所為だと、考えた。
だからその生贄、だったんでしょうね」
そんな事をしても、何の意味もないのにと
昔の人に向けてバカにするように言っている。
……何で、そんな事がわかるんだ。
「さっき、井戸を見てきたのよ」
留衣さんが言った。
いや、それにしても……あ、
彼はエスパーだもんな。
それならしょうがない。
適当に納得しとこう。