少しして、彼女が戻ってきた。
「うん、決定!今日はここに決定よ!」
そう言う彼女はとても嬉しそうだ。
「だからあなたも来てね?」
「え、どうして?」
「だって、私たち誰も
このトンネルに詳しくないの。
どうせならよく知ってる人が
いた方がいいと思って。
それに、唯一居なくなったのが
あなたのお姉さんなんでしょ?」
「そうだけど……」
「関係者が居た方が面白いじゃない。
先輩の友だちの知りあいがーとか、
そんなのじゃつまらないもの」
……面白い、か。
それは、よくある他人の心霊体験の話とは違う、
家族が行方不明になっている相手にいう言葉だろうか。