「友だちと遊んでたの?」 「ううん、違うよ」 「……そうなんだ」 じゃあ、さっきのは 逃げてよかったのかな? 考えながら歩いていると、 うっかりとこの子を置いていきそうになる 「手、繋ぐ?」 「汚いから、駄目だよ」 苦笑いで、少女は言った。 ヒラヒラと振られるそれは、 確かに汚れていた。 泥? あの手形は、この子のものなんだろうか?