「そしてここがそのトンネル
 通称‘異次元トンネル’です!」

今は私服姿で、
髪型も変えた少女―榎本 菜月 (えのもと なつき)が
楽しそうに言った。

トンネルの前には警備員さんがいるので、
昼間よりは小さい声だ。


彼女と、
その仲間がここに居るのは、
今日の彼らの『集まり』とやらの場所が
ここに決定したからである。


何故僕までがここにいるのかと言えば、
それも数時間前に遡る。