「ところで、どうして留衣さんは
 異世界とか好きなんですか?」

台所から、いい匂いがしてきた。

「あれ?そういえば言ってなかったね。
 実は私、異世界人なのです!」

えー。

「酷いなあ、本当だよ?」

そうは言われても、
信じるのは無理って物だろう。

「異世界から来たとか、
 色々不自由があったでしょうねえ……」

とりあえずのってみるか。

「ううん、そうでも無かったよ。
 正確に言うと、異世界じゃなくて。
 私の存在、この世界にもあったから」

にこにこして言う。
それは何ていうか、あれかなあ。
電波な人だったのかなあ、留衣さん。