「放課後、遅くまで残っていた
 陸上部の生徒の話。

 その人は、記録が伸びなくて
 悩んでたんだって。
 だから毎日、夜まで練習してたの。

 それである日、
 いつものように走ってたんだけど、
 校舎の壁際に、人影が見えたの。

 『誰?』
 彼女は尋ねたんだけど、返事は無くて
 代わりにカタカタという音が聞こえて、
 ゆっくりと人影は近づいてきたの。

 壁際から離れて、
 ライトが当たる所まで来て、
 ようやく彼女は気付いたの。

 その人影が、骨格標本の物だって事に。