「私、怪奇愛好家なの」

「……何、それ」

「文字通り、怪奇現象を愛する者よ」

決まってるじゃない。と彼女は言った。

「うん、まぁ、それはわかるけど……」


「ならいいでしょ?」

何が?


「だからね、そういう場所があるのなら
 実際に行って見る、やってみる。
 それが私たちなの」

「私……たち?」

「そう。楽しい事は1人占めしちゃ駄目。
 愛好家同士の集まりをするの」

つまり彼女のような人が複数人いるということか。