だけどどんなに祈ったって、 目の前には誰も居ない。 祈る対象があるだけだった。 それはそうだ。 人が立つ隙間なんてないんだから。 ありえないとは思いつつも、 少しの希望を抱いて、後を振り返る。 ……そこに居たのは天使だった。 ――天使は矢を放った。 ---------------------------------------