「誰も居ない時にこのトンネルを通ると、
 異次元に飛ばされるって話。
 でもいつも警備員さんが居るから、
 わざわざ試す人も居ないよ」

「ふーん……
 警備員さんって、夜中もいるの?」

小声で訊ねてくる。
今もトンネルの入り口に立っている
警備員さんを警戒しているんだろう。


……もしかして行く気なんだろうか。


「うん。交代は不定期だし、
 入れ替わる時間も早いからね」

「見た事あるの?交代する所」

「あるよ」

「入ればよかったじゃない」

つまんないの。と
また不満気な表情になる。