「ま、別にいいんだけどね」

……何なんだろう、本当に。

「ちょっと小耳に挟んだだけだから
 よく知らないできたんだけど、
 ここ、幽霊出るの?」

「出ないよ、幽霊なんて」

そう言うと、
彼女は不満そうな顔をした。


「でもあなた、
 肝試しって言ったじゃない」

「ここは“異次元トンネル”って言うんだ。
 幽霊は出ないけど、
 肝試しスポットにはなってるよ」

「異次元トンネル?
 詳しく教えてくれない?」

何だか嬉しそうに、彼女は聞いた。