「で?今回はどうした?」

机の上に書きかけのレポートをひろげたまま唯人はこちらを探るように見てきた。

唯人の茶色がかった瞳に視線をあわせてから一呼吸する。

吸い込んだ空気は唯人が飲んでいたコーヒーで満たされていて、私はその香りに不思議と落ち着いた。