少女は王女に言いました。
「王女、その方はどこの国の人ですか?」
「この国の大きな川を挟んだ向こうの国の人よ」
王女はニッコリと微笑んで、少女に言いました。
少女は驚きました。
王女から聞いた容貌は、以前旅人の間で噂になった『王子の呪い』そっくりだったからです。
少女は思いました。その人こそ、本物の王子だと。
少女は王女に言いました。
「王女、私はその国に行ってみようと思います。そして、その方に会ってみようと思います」