けれど、本当のことを書かないで『嘘』を書いたのです。
王女とは対等に話さない方がいいと思ったからです。
自分は王子に仕えるもので召使だと、醜く身分の低い者だと書きました。
王女はそれでも、王子の手紙の返事を送ってきました。
いつしか二人は手紙でいろんな事を話すようになります。
王女はその日見たこと、聞いたこと、感じたこと、思ったことを正直に書きました。
王子は正体を隠したまま、それ以外は有りのままに書きました。