「あっ!ウチ、これから部活だ!じゃあね!」

 いきなり大きな声を出したかと思うと、重たそうなスポーツバッグを軽々と抱えて走り去っていく。

 美愛はバスケをやってて、すっごく運動神経もいいんだ~。

 少しくらい、あたしにも分けて欲しいなぁ。

「うん、ばいばい」
 
 とっさに叫んだけどあたしの声はきっと届いてないと思う。

 それくらい早かった。

 誰もいなくなった教室であたしも荷物をまとめて、玄関へ向かう。

 太陽がギラギラと輝いていて暑い……。