「遠藤です」
嘘を言っても仕方がないだろうから、とりあえず正直に答えてみよう。

「そうそう、遠藤君だね。2-3の真ん中辺りの席の子だね?」
先生はそう言って僕に笑いかけてくる。
これはヤバイ。

小池先生は整った容姿をしており、かなりの女子人気を誇る先生だ。

しかし、滅多な事じゃ笑わない事で有名で、
そんな先生がいま僕に向けているのは満面の笑みな訳で、つまりそれは……


うん、考えるのはよそう。
上を見るのもよそう。
ハートの色なんて確かめたくない。