「つーか俺、今日夜警だよ。面倒だな」

「今日は代わんねぇからな」

「わかってるよ」



新は今晩このまま城に残り、城内を警備する当番だ。

女と約束がある、と前回の当番を悠馬に押し付けた新は、今回はきちんとその任務を遂行せざるを得ない。



「んーやだやだ。帰りたい!」



陽が暮れなければいいのに。

新はそう言って、ひとつ欠伸をした。