たまに、そよ風があたしを追い越す時に



聞こえる声。




それは紛れもなく紗雪だった。



内容は秘密。



誰にも言わない。



2人だけの秘密。





いろんなことを思い返しながら


門の桜を眺める。


空は青く澄んでいた。


桜はもともと好きだった。


けど、今では『好き』だけじゃなく、


『大切なもの』なんだ。