〔勇人SIDE〕


「親父どこにいるんだよ!!出せよ!!」


「若旦那!どうしたんですか?」


晴彦が大慌てでやって来た。


「どうしたも、こうしたもねえよ!親父が美優に手を出しやがったんだよ」


家中の部屋という部屋のドアを開けるも、親父はいなかった。


「そんな手荒にしないでくださいよ」


「うるせぇんだよ。どこ行ったんだ?」


オレが睨みつけても、手荒くドアを開けても、晴彦はまるで動じない。


それが余計に、オレをイラつかせる。


そんなに親父の方が怖いかよ。