「え…健一さん…?」





夏美はまだ眠そうな顔で健一を見た後、ゆっくりと体を起こし始めたが、うまくいかず、少し起き上がっては、またガクッと落ちる、を繰り返していた。






たまらず、少し離れた所にいた冬彦が走り寄り、夏美の背に腕を回した。






「え……あ、冬彦?…え、あれ、何でいるの?」





彼に気づいた夏美は動揺してしまい、後ろで支えていた自分の腕を前へと持ってきてしまった。






当然、支えを失った彼女の体重が冬彦の腕に一気にかかってくるのだが、彼は全く重く感じなかった。







それは精神的なものではない、実際に夏美の上半身は片腕で支えきれるほど痩せ細っていたのだ。