健一はゆっくりと夏美の寝るベッドへと歩み寄り、窓のカーテンを開けた。




窓の向こうでは、淡く輝く月がもう沈もうとしていた。







冬彦は外の風景から夏美へと目をやる。





その瞬間、彼の背中に冷たい衝撃が走った。




ベッドに横たわる夏美の姿は、月明かりに照らされて、肌が青白く光っていた。







冬彦は怖かった。








今の夏美は死んでいるのと区別がつかなかったからだ。







頬も少しこけ、体はかなり痩せていた。






…たった数日で…こんなに…







愕然とする冬彦に新たな衝撃が訪れる。



しかし、それは彼に安堵をもたらした。







「……う…ん…」






夏美が蘇生したかのように、ゆっくりと目を開けた。