「まさか…」




冬彦がポツリと発した言葉は、健一を過去から現在へと呼び戻した。





「そう…冬彦君が死んでから1ヶ月ほど経って、君は作られた。」




冬彦の考えた最悪のケースが、健一の言葉から事実として告げられた。






…そんな…そんなことって…






「聡は、当時、人工心肺や人体に詳しかった天野先生と親しくなり、貯金全部をはたいて、君の制作を支援していたようだ…勿論、秘密裏にね」






健一はそこまで話すと頭を抱えてしまった。





「僕はね…最初、君を見た時、ゾッとしたよ。

人がヒトを作り出してしまったのだと…聡の、友人の暴挙を…僕は止められなかったのだと自分を責めもした。
だが、初めに見た君は、どこかヒトとして不完全な気がしたんだ。」






「一体…何なんですか…」





冬彦はもう聞くのが辛かったが、自分の過去を知るために、必死に耐えていた。