そんなの……嫌だ!



夏美の死を想像した冬彦は、頭を振って、そのイメージを消そうとしたが、上手くいかなかった。






何で…こんなに胸がざわつくんだ……?鍬原さんが死ぬから?……違う。それだけじゃない…なんかもっと…苦しい…感じ…





冬彦はそんなことを考えながらベッドに横たわった。



彼の頭には、絶えず夏美の死が浮かんでいる。





単に、死んでしまうことが悲しいなら…誰にでも感じるはずなのに……どうして?……どうして?




「……どうして?」




冬彦は思わず声を出していた。







その目にはうっすら涙が浮かんでいた。




その滴が頬を伝い、ベッドに落ちた。







その瞬間、冬彦は悟った。











………わかった…僕は…僕は…









「鍬原さんが、好きなんだ…」








冬彦は、相手のいない告白をして、涙を流しながら、ゆっくりと眠りについた。