「……いってらっしゃい」 もう一度、小さな声で呟いて、あたしは部屋に戻った。 1DKの小さな部屋。 あたしがここに住み着いて、もうすぐ二週間になる。 つまり、あなたがあたしを認識してから、もうすぐ二週間がたとうとしてる、ということ。 たった二週間。 されど二週間。 今になって考えると、あたし達の出会いはきっと、普通なんかじゃなかった。