「いってらっしゃい」 手作りの弁当を持ったあなたを玄関先まで送り出す。 「いってくる。今日は、夕方には帰ってくるから。夜は、一緒に食べような」 「じゃあ、ごはん作って待ってるね」 「楽しみにしてる」 そう言うと、大きな手であたしの頭を撫でて、それから、少しかがんで、あたしの唇にキスをした。 ガチャン、と玄関のドアが閉まる。