「それだけでいいのか?」
「だって、あんまり家から出ないし、家に居る時は海の服、着てるし」
ショッピングモールの中にある、衣料品チェーンストアで、数着の下着と、赤い、チェックのシャツワンピースを1着だけ買ったあたしに、海は尋ねた。
赤なんて、着るのは初めてだったんだけど、海が
「色が白いから、赤が映える」
と言うから、即決した。
「帰ろうか」
バイクにまたがって、アパートまでの道を走る。
夕焼けが、バイクにまたがるあたし達を照らしていた。
風が気持ちいい。
バイクから見える風景は、いつもと違って、なんだかわくわくした。