「参ったな」 長い、甘い行為の後、あなたはそう呟いた。 初めて会った時から変わらない、 優しい声であたしの名前を呼び、 大きな手で、まるで壊れ物を扱うかのように、あたしに触れる。 そして、びっくりするくらいに甘いキスをする。 参ったのは、あたしの方だ。 もう、この世に未練なんて残したくないのに。