「こんにちは、伶良ちゃん」 やわらかな笑顔で話しかけてくる、お兄ちゃん。 たぶんこの人はそんなに怒ったり、怒鳴ったりすることはないんじゃないかな、というのが幼いながらの巧に対する印象。 ランドセルは背負っていたけどあたしよりも10歳も。和泉よりも、8歳も年上だったし、落ち着いてた。