「レイは、随分とカイ君のことを信用してるんだね」


「わかりきったように言うな。レイの居場所を教えてくれ。頼む」


この男の前だと、自分が持つ、小さなプライドさえもガラガラと音を立てて崩れていく気がした。

いや、この男の前だからじゃない。

レイに対して、だ。




「僕はね、本当はレイにカイ君を会わせることが正しい、とは今も思えないんだ」



はらわたが煮えくりかえる、というのはこういう気分を言うのだろうか。


「……それは、お前の判断だろう。俺は、レイに会いたい。きっと、レイだって……」

苛立ちを隠せない俺は、ついつい声を荒げる。



レイだってきっと、もう一度、俺に会ってくれる、と信じていた。

だって、そうでなければ、基本的に何に関しても冷めているレイが、あんな置き手紙を残していくはずがない。