「………!広也ぁ!!!」

「広也…」

『品濃、未紀をよろしく!』


またフアッと風が流れて広也の匂いがして、

なんだか、軽くなった。



「逝ったね。広也。
さよなら…」

この時の高添は1番綺麗だった。


………

「じゃあ、受かると良いね!」

帰り際、高添は言った。

「そうだな。お互い、
広也のために頑張ろうな」


高添は広也の夢を叶える。

俺は広也が勘違いしたまま逝ってしまった事を
変える。



「じゃあな」

「うん」


この日以降に広也を
感じたり、声を聞くことは無かった。