駅に着くと、高添が一人黙々と暗記カードを
読んでいた。


「俺もなんか読もう…」


出来るだけ高添から離れて、静かに本を読んだ。



電車に揺られること10分。

電車を降り、駅に着くと、フワッと風が吹いた。



「……!!広也...」

風と共に、広也がすぐ
近くに居た気がした。


「応援?それともプレッシャーかけに来たのか...??どっちにしろ、
俺は受かってやるよ」


俺は風下に向かって呟いて、高校へ向かった。



高添の背中を見ながら。