「でも……」
「でもまた傷付けちゃったら??
大丈夫だよ。
そん時は俺に言って
くれれば良いから」


俺はサラっと高添の髪を撫でる。


高添は顔を真っ赤にして目線を下に向けた。



「………受験が終わったら...決める」

「高添…」

「だから今はお互い頑張ろ!」


高添はニコッと笑うと
シャーペンを持ってまた問題集に目を向けた。



(……無理して)

俺はそう思いつつも、
問題集に手をつけた。



この日以来、冬休みに
俺達がこの話題を口にすることはなかった。