「や、大丈夫じゃないでしょ?」
そう言ってジュースサーバーを指差すと女の子はウッという感じの顔になって黙り込んでしまった。
「持ってあげるよ。」
女の子の手からジュースサーバーを取りあげると女の子は顔をバッとあげて、
「あのっ、大丈夫ですから!」
女の子は申し訳なさそうな顔をしながら俺の持ってるジュースサーバーを取り返そうとしてるから、
「いいよ。ついでだし。大体育館だよね?」
理由を作ってあげると女の子は、
「でも・・・」
と言いながらうつむく。
「いいの、いいの!ほんとついでだから!」
そう言って笑いかけてあげると女の子は少し表情が和らぐ。
女の子はそのままちょこちょことついてくる。
ん~・・・大体育館に女子バスケットチームなんかいなかったし、この子体操服だし・・・どっかのマネージャーとかでもやってんのかな?
そう思って俺はそのまま質問すると女の子は少しほほ笑んで、
「はいっ、マネージャーやってます。」
そう答える。
やっぱりか。
・・・にしても、女の子にこんなの持たせようって考える奴らってどんなんだよ。
「ふ~ん。大変じゃない?」
そう思って問いかけると、女の子はニコッと笑いながら、
「大変ですけど、先輩たちに助けてもらってるのでなんとかやってます。」
俺はその嘘のない笑顔を見て少し安心した。