敦side

「あっちぃ~・・・」

俺は自分の手で顔を扇ぎながら暑さを紛らわしてると、給水室から出てきた女の子が目にとまる。

・・・珍しいな。ここに女の子がいるのなんて見たことないのに・・・

その女の子は、ばかデカイジュースサーバーを一生懸命運んでる。

ちょっとその姿が面白くてしばらく見てたけど、立ち止まって肩を上下させてるのを見てるとちょっと可哀想になってきて手伝ってあげようと近づくと、

「ん~、・・・おも・・いぃ」

途切れ途切れにそう言いながら女の子は、

「よっ・・・いしょっ」

一生懸命運んでる。

近づいてみると女の子はとても華奢な体をしてて、背は小さい。

「大丈夫?」

女の子の背中にそう問いかけると女の子はピクッと肩を揺らしてゆっくり振り返る。

サラサラの髪の毛を揺らしながら振り返った女の子は少し幼さの残った顔立ちで、とても可愛い。

振り返ったまま女の子はキョトンっとしてる。

まぁ、そりゃ、知らない奴に声かけられればそんな顔にもなるわな・・・

そう思いながら女の子を見下ろしていると女の子はハッとして、

「あっ、大丈夫です!」

女の子はあせあせしながらそう答える。

・・・いや、大丈夫じゃないでしょ・・・

全然進んでないし・・・