「いいの、いいの！ほんとついでだから！」

私の方に振り返ると優しく笑ってくれる。

じゃあ・・・お言葉に甘えさせてもらいます・・・

そのまま私はその人の後ろに大人しくついて行ってると、

「マネージャーなの？」

赤毛の男の人は私に首を傾げて聞いてくる。

「はいっ、マネージャーやってます。」

「ふ～ん。大変じゃない？」

「大変ですけど、先輩たちに助けてもらってるのでなんとかやってます。」

「へぇ～・・・君・・・あ、名前教えてよ。」

「真奈です。西野真奈。」

「真奈ちゃんか。可愛い名前だね。」

男の人は爽やかな笑顔で少し恥ずかしくなるような事を言う。

「あ、ありがとうございます・・・」

私は頬が少し熱くなるのを感じながらうつむく。

大体育館が見え始めたところで私は急いで男の人の前に出て体育館のドアを開けると男の人はありがとうって優しく笑いながら入っていく。

「えっと、ここまでで大丈夫？最後まで運ぼうか？」

首をかしげながらそう尋ねてくる男の人に私は笑顔を見せて、

「ありがとうございましたっもう大丈夫です！ほんとに助かりました！」

ペコッと頭を下げると男の人はニッコリ笑って、

「じゃあ、頑張ってね。真奈ちゃん。」

手を振って背中を向けて歩き出してしまった。

あ！

「あの！」

私は少し遠くなった背中に声をかけると、

「どうしたの？やっぱり最後まで運ぼっか？」

男の人は振り返ってそう言いながら首を傾げる。

「いえ！名前を、教えてくれませんか！？」

私がそう言うと男の人はフッと笑いながら、

「園田敦（そのだあつし）だよ～」