「へ?「やった~。」

私の言葉に上乗せするように進藤君の声が被る。

「だぁぁ~!!負けたぁ~!!」

「別に俺はどこでもいい。」

・・・

「ベッドの取り合いって・・・?」

独り言のように呟いた声が聞こえたのか進藤君は、

「俺らの部屋、二段ベッドでさ。誰か上段で寝るかをじゃんけんで決めてた。」

・・・・

案外、小学生みたいな事するんだね・・・

「そう言えば、部屋どんなんだった~?」

中村先輩はニコニコ笑顔で私に首を傾げる。

「ん~、合宿所だなぁって感じでした。」

苦笑しながらそう答えたら、中村先輩は『まぁ、そんなもんだよね~』って言いながら部屋の鍵を開けて部屋に入って行った。

私も荷物の整理をしようと自分の部屋に戻るとすぐに廊下からバタバタバタって足音が聞こえたと思ったら部屋のドアがバンッと開く。

「ぅえっ!??」

私はビックリしながら振り返るとそこには目を輝かせた中村先輩がいて、でもすぐにキョトンっとした顔になってしまった。

「・・・えっと、武先輩?」

「真奈ちゃんの部屋窓ないの!?」

今度は驚いたような顔をしながらズカズカと部屋の中に入ってきた。

「えっ、どうしたんですかっ?」

私があわあわしてると中村先輩はニッコリ笑って私の手を取る。

「へ?」

「ちょっとおいでっ!」