「美奈?」


いま私が一番会いたくない人の声だった。


そぅ・・・・・正樹。


「正樹?偶然だね~」


私は泣くのを抑えるのに必死だった。


「やんな~。ここって俺らが初めて会ったとこだよな。」


無邪気な正樹を見ると泣き出しそうで、


今すぐ立ち去りたかった。


でも、これだけは言わなきゃ。


「あのさ。正樹ってかん奈と付き合うことになったんだよね?
おめでとぅ♪」


普通に言うことが出来た。


でも正樹の答えは想像していたものと違った。


「え?俺は付き合ってへんよ。かん奈と付き合うことになったのは俺じゃなくて岡田やで?」


「ぇ・・?だって昨日かん奈に告られたんじゃないの?」


それから、正樹は本当のことを教えてくれた・・・。