外は人の顔が区別できないほど暗かったけど、


近くに誰かいることは分かった。


「大丈夫ですか?」


私は声をかけた。


「ぇ!?あぁ、うん。大丈夫。ってか人いたんや・・・
もしかして俺の叫び声聞いた?」


男の声だった。その声は少し驚いたようだった。


ばっちり叫び声を聞いてしまった私は、


「うん。聞いっちゃった。どしたの?」


「ちょっとチャリから落ちてしもて、
そんで思わず叫び声を・・・」


彼はここに引っ越してきたばかりで


慣れないこの公園の段差でこけてしまったらしい。


それからしばらくの間、私と彼は少し話をした。