「正樹君?何?」


私は冷静に会話をしようとしたけれど、


心臓がバクバクしてとても平気ではいられなかった。


多分私の顔は赤くなっていたと思う。


「美奈やんな?俺のこと覚えてる?」


覚えててくれたんだ。


私はすごく感動した。


「ぅん。でも良く分かったね。昨日暗かったのに」


「すごいやろ?俺は暗闇でも目は見えんねん。
・・・って言うのは嘘で、机に書いてある名前見た。」


やっぱり正樹はかっこいいな・・・


このとき私はそう思った。


「そっか!!!ほんとに猫みたいに暗いとこでも大丈夫なのかと思った~。」


「んな訳あるか~!!!」


正樹との会話は楽しくて昼休みなんてすぐに終わってしまいそうだった。


そのうち皆が帰って来はじめた。


「そうだ。美奈、手かして?」


「手?なんで?」


「いいから早よだせぇ。」


手を出すと何かが手に置かれた。


それは紙だった。しばらくあっけに取られていると、


たちまち女子が集まってきてもぅ話せそうに無かった。