舞い踊る様に戦う朔夜の所まで行くと

彼女をひょい、と担ぎ上げ

次の瞬間、ぽい、と後ろへと投げた。

「お、おい雫!お前、何を…「うっせーな、

ずっと後ろに居ろつつっただろ

いくら相手が弱くともお前は最前に出てくんなってのが

分からねーのかよ?」…。」


その後の朔夜は大人しかった。

後ろから雫にサポートに周り

前にも出ずに、逃げ出そうとするものや

雫を避けて向かってきた者だけに専念した。

「朔夜、おい、朔夜ー。」

「………。」

取りあえずは無事に戦争を終わらせて帰ってきたものの

彼女のテンションはひたすら低く

雫と目を合わせようともしない。

「なぁに、朔夜ってばまだ膨れてるの?」

奥の方から、ポリポリと頭を掻きながら

ボサボサの黒髪した眼鏡の男が出て来る。

彼は栗生 翠霞(クリウ スイカ)。

B・B最年長、25才だ。

「あ、鴉。」

「…。ねぇ、雫クンさ、

鴉って間違ってないけど

翠霞って呼ばない?」

「じゃあ、スイカ。」

「それ、果物。『す』が強いの。

『か』を強く言わないの。」

「はぁあぁぁ…うっさいなぁ!」

二人がくだらない言い合いを始めた頃

突然朔夜が声を上げる。