「全治3ヶ月、退院は、未定・・たぶん来月末頃。・・・退院してから

 言おうと思ってたけど、誰かさんはそれまで待ってくれそうにないから言うよ。」

 「え?」

 「俺の左足は、完全に直らないかもしれない・・・

 退院しても、杖がずっと必要になるかもしれない」

 「うそ・・・」

 「・・・かもしれない・・・可能性が高いって言われた・・・

右足は健康そのものなんだから歩けなくなる訳じゃないけど・・・

正直・・・凹んだ・・・障害が残るかもしれないって・・・

どれぐらいの回復があるのか無いのか

 Drから言われて・・・怪我して最初の三日間、腫れの激痛と

 精神的な動揺でホント、凹んでた・・・」

 「ごめんなさい・・・そんなことも知らないで私・・・病院におしかけてきちゃって」

 「違うんだ。・・・加奈子が来て、いつもの調子で話していると・・・俺は何も

 変わってない、大丈夫だって気になれたんだ。ホントに・・・癒されてたんだ・・・

 ありがとう・・・加奈子は誰にでも優しいから・・・当たり前にしてる

 つもりなんだろうけど、俺は・・・加奈子に救われたんだ・・・感謝してるんだ。」

 「感謝なんて・・・言わないで・・・私・・・自分勝手なの」

 「?」

 「私は・・・野澤クンが好きなの。だから自分の会いたい気持ちで来てるの」

 「なんで、それ言うんだよ。」

 「え?」

 「普通、男から言わせろよな。そういうことは」

 「・・・」

 「障害のこるかもだけど・・・・俺と付き合ってくれないか?」

 「そんなこと・・・関係ない・・・もちろんYESよ」

 「ホントは・・・退院するまで言いたくなかったんだよ。」

 「何でよ。」

 「こんな病衣姿で、大きなギプス付けて言いたくないよ。カッコ悪すぎだろ。」

 「クスッ、そんなこと無い。」

 「お前はおしゃれな格好してるからいいだろうけど。」

 「今日の私、おしゃれしてるから、誰かさんとデートしてきたと思った?」

 「ばか。調子に乗るな。」