あれから一週間が経った。
今だに浮かぶあの顔。
正直うんざりしていた。
でも、忘れられないのが事実だった。
今日は親に連れられて、
親戚の家に来ていた。
早く帰りたいなー…
ごちゃごちゃと喋る親戚の話なんか
耳に入ってなかった。
窓に目をやる。
外を楽しそうに飛ぶ鳥。
風が木葉を揺らす。
ふと、見えた光景に
思わず目を疑った。
「あ…!!」
あの人…!!
「ちょ、茜!?どこ行くの!!」
必死な親の声も
もはやあたしには届いてなかった。
窓の外を歩いていたのは、
紛れも無くあの男。
一瞬だけ目に入った彼の横顔は、
どことなく寂し気で孤独だった。