一体いつからだろう。
人生自体がどうでもよくなったのは。
家に居るのも嫌で、
かと言って外にも
行く当てがあるわけじゃなく、
ただ毎日、抜け殻の様に
ふらふらと街をさ迷っていた。
いつもの公園のベンチに腰をかける。
目の前には楽しそうに遊ぶ子供達。
いつもならひたすら
ぼーっと見ているだけなのに。
心配そうな目
慌てた口元
ふわっと柔らかそうな髪
少し小柄な身体
ぶつかった時、
心なしか彼の身体は弱くて…。
脆そうで…。
「っあたし何考えてんだろ…」
馬鹿みたい。
道端でぶつかっただけの男。
一目惚れなんかするワケない。
絶対…
でもそんなあたしの考えとは裏腹に
どれだけ振り払おうとしても
瞼に浮かぶのは、あの人だけだった。