その顔に、ドキっとする。
仄かに嬉しさが滲む程度、とはいえ、初めて見る顔。
きっと、仕事の仮面を外した、顔。
そんな表情をするんだ、と思って見つめてしまう。
「なに？」
そんなあたしに気づいて、宮本さんは不審げに眉を歪める。
「あ、いえ、か・・」
かわいいなって、思って。
そう言おうとしたけど、それを言ったら確実に殺される。
殺されなくても機嫌を損ねるのは明白。
折角直った機嫌が！！！
「・・か、変わってるけど、いい名前、ですよね！！！」
無理やり誤魔化す。
ね！！ ともう一度言って、満面の笑みを作る。
