「……っ……」



おもい…だしてよ……





もうなんで?



なんで出てこないの?



いつもは…



いつもはきちんと覚えているのに!!



もうやだっ!!



「や……だっ…たすけて…よ…――おにい…ちゃん」




動かない脚を引きずるようにして身体をショルダーバッグを置いた場所に移動する。




それに伴い床全体に血を拭き取ったような跡が出来る。



ショルダーバッグを何とかして開ける。



それにも血がつく。



その中から携帯電話を取り出す。




「………っう…う…」



電話帳からお兄ちゃんの項目を探す。



ボタンが上手く押せない。



携帯電話を床に置き体重をかけてボタンを押し電話帳からお兄ちゃんの欄を探す。