下駄箱で急いで靴を履き替え、校門の方へと走っていく。
校門に近付くにつれ、だんだん見えてくる直哉の姿。
あんたみたいな、いかつい奴がこんな所来て………浮いてるよ……。
あたしは小走りで駆け寄る。
携帯をいじってた直哉はあたしに気付き、顔を上げた。
「……目立ってるよ…バカ。」
あたしはそう呟いた。
すると直哉は
「…遅ぇ」
そう言うと、あたしの手を引き、歩き始めた。
――…直哉に手を引かれ、歩いて来たのは学校の近くにある小さな公園。
直哉はあたしの手を握ったまま、そこにあるベンチに腰掛けた。
あたしはベンチには座らず、直哉の傍に立った。
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