―…放課後
「里衣〜、帰ろ〜」
「ん〜」
はぁ…
あたしは携帯を見てため息をつく。
結局、昨日あたしが直哉の家を飛び出してから一回も連絡ナシ。
「着信ナシ、ですか」
沙希があたしの携帯を覗き込み、呟く。
「もういーのいーの!早く帰ろ?」
あたしは携帯を閉じた。
そもそも、あたしが直哉と付き合ったきっかけは直哉からいきなりきたメール。
何故あたしの事を知ってたのかは分からないけど、あたしのクラスメートの男子にメアドを聞いたらしく急にメールがきた。
あたしは今まで何の接点もなかったし、直哉の噂も聞いてたし、あまり関わりたくなかった。
でも、無視する勇気もなくて結局毎回返事をしていた。
最初の頃はあたしも直哉が怖くて、メールする事がすごく嫌だった。
だけど、毎日メールのやり取りをしている内に、意外と話が合い、朝になるまでメールしたり、電話したりするようになった。
そしてグループで一緒にどこかへ遊びに行くようにもなり、
初めて2人で遊びに行った時、直哉に告白され、付き合う事になった。
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