強く掴まれた腕に、柄の悪い男は苦痛の表情を浮かべ唸り声を漏らした。



「誰に手ぇ出してんだって聞いてんだよ!!」


「やべぇ…秋庭さんだ…」


後ろにいた男は、目の前にいる人が秋庭さんだと認識した瞬間酔いが一瞬で吹き飛び、震えた声で呟いた。



「やべぇ…やべぇ…」



それから男は息荒く同じ言葉を続けた。


何がヤバいの?
秋庭さんってそんなに危ない人だったの?


後ろにいたもう一人は、足が震えその場にへたりこんでしまった。


「お、お、俺達殺されちまう!!」


えっ!?そこまで!?