こうなったら全く検討違いな道に入ってみるか!!


そして大通りからネオンの光が薄れる小さな路地へと足を踏み入れた。


そこは小さな居酒屋が犇めく古びた通りで、皆年期の入った暖簾を掲げ、店名の入ったスタント型の淡く光る看板を路地に出している。



元はといえばこの通りに入ったのが悪かった…




「あっ、ごめんなさい。」



狭い路地なのに、大の大人の男が三人横に並んで歩いて来る。

それを避けて通るのに肩がぶつかってしまった。




「あ゛あん!!おい、オバサン。人にぶつかっておいてそれだけかぁ!?」




それだけかって、他に何をご所望なんだこの人は。
それにオバサンって…
私はまだ20代だっての!!



まったく、道を占領して歩いてたそっちが悪いのに。



明らかに、わざとだ。



逃げようと思ったが、柄の悪い男達は私を囲んで身動きが取れなくなった。


路地を歩いている人もいないこともないが、見て見ぬふりで助けは期待できそうもない。



「大怪我しちまったよ。治療費もらわないとな~」



顔を近づけた男の口から吐き出された、濃度の濃いアルコール臭が鼻を突いた。